反対咬合
前歯が反対咬合の患者さんです。治療は第一段階の治療と第二段階(最終治療)に分けて行います。


詳しい治療内容
歯の裏側に簡単な器具をはめて、
反対咬合を治していく
。
このように早めに反対咬合を治していかないと、成長とともに下顎がしゃくれてしまう危険があります。反対咬合はかなりよくなりましたが、この状態はまだ不安定です。
奥の歯が生えかわってくるまで定期検診を行います。(治療はしばらく休憩になりますから楽です)。
奥歯が生えかわったので最終的な
治療をはじめ、前歯も奥歯も安定した
咬み合わせにします。


| 主訴 | 受け口 |
|---|---|
| 症状 | 前歯部反対咬合 |
| 治療内容 | 二段階に分けて治療を行った。第一段階(Ⅰ期治療)は上下の歯の裏側に簡単な装置を使って、前歯の反対咬合を治した。その後治療は休憩して、中間から奥の歯が生え変わるのを待ちながら、受け口の度合が悪化しないか観察(3か月~6か月に一度の来院間隔)。第二段階(Ⅱ期治療)として反対咬合が再発しないようにマルチブラケット装置を用いて前歯も奥歯も安定した咬み合わせにしていきました。その後、上下に取り外しができる保定装置を用いて保定観察を行った(半年に一度の来院)。歯を1本も抜かずに治療が終了しました。 |
| 年齢 | 11歳 男児 |
| 装置 | Ⅰ期治療:上下の歯の裏側に3Dリンガルアーチ装着。 休憩期間:10か月(Ⅰ期治療とⅡ期治療の間) Ⅱ期治療:歯の表側にマルチブラケット装置装着。 |
| 抜歯部位 | 抜歯した歯はない |
| 動的治療期間と 通院回数 |
Ⅰ期治療:1年6か月 20回 休憩期間:10か月(Ⅰ期治療とⅡ期治療の間) Ⅱ期治療:2年3か月 28回 |
| 治療費 | 105万円(税込) *初診料・精密検査料・矯正料・処置料等を含む |
| リスク・副作用 | Ⅰ期治療で反対咬合が治っても、その後身長の伸び(思春期成長)とともに歯が収まっている下顎全体の骨も前に伸びてきます。その度合いにより反対咬合が再発する恐れがあります。初診時の精密検査でその傾向のある方は、このⅡ期治療で前歯も奥歯も安定した咬み合わせにする必要があります。 マルチブラケット装置を装着している時は、きちんと歯を磨く習慣をつけないと、虫歯や歯肉炎を起こしやすいです。 |
全体的な矯正治療の標準的な
治療費、治療期間、通院回数
| 治療費(税込) | 90万~110万(税込) *初診料・精密検査料・矯正料・処置料等を含む |
|---|---|
| 治療期間 | 2年6か月~3年 |
| 通院回数 | 32~38回 |
*矯正歯科治療についても、一般的なリスクと副作用が伴います。治療を受けられる方は事前にご一読下さい。
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① |
矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。 |
|---|---|
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② |
歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。 |
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③ |
矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 |
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④ |
治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。 |
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⑤ |
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。 |
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⑥ |
ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 |
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⑦ |
ごくまれに歯を動かすことで歯の神経が障害を受けて壊死することがあります。 |
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⑧ |
矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。 |
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⑨ |
治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。 |
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⑩ |
様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。 |
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⑪ |
歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。 |
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⑫ |
矯正装置を誤飲する可能性があります。 |
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⑬ |
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。 |
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⑭ |
装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。 |
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⑮ |
装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。 |
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⑯ |
あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。 |
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⑰ |
治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。 |
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⑱ |
矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。 |